妊娠中に血糖値が上がりやすくなる理由

胎児のエネルギー源がケトン体だからです

日本の栄養学では、主食はご飯として当たり前に言われ認知されています。

しかし、妊娠や妊娠中のことを考えるなら、糖質の摂取は控えた方が良いことが新しい常識となりつつあります。

なぜなら、胎児は、ケトン体をエネルギーとして成長しているからです。

これは、宗田マタニティクリニックの院長であり、著書「ケトン体が人類を救う 糖質制限でなぜ健康になるのか」にも書かれています。

このページでは、本の内容を元に胎児がケトン体で成長する理由、妊娠中に太りやすくなる理由、そして、なぜご飯(白米)が主食と言われるようになったのかについてまとめています。

胎児がケトン体で成長する理由

宗田先生によると、新生児の血糖値(血液中のブドウ糖濃度)を測定したところ「35mg/dL」と低かったそうです。

これは、何を意味するのでしょうか?

ちなみに、ヒトの血糖値は、糖質を摂っていない状態でも最低80mg/dL程度保つようになっています。

つまり、新生児は、ヒトが日常的に生活できるレベルより遙かに低い血糖値だったのです。

血糖値が低いことにどんな意味があるのでしょうか?

血糖値が低くても生きていられるということは、糖質をエネルギー源にしていないということの裏返しでもあります。

では、何をエネルギー源としているのでしょうか?

それが「ケトン体」です。

ケトン体がメインのエネルギー源

実は、ヒトが本来エネルギー源としているのは、糖質ではなくケトン体だとわかってきています。また、ケトン体の方がブドウ糖より遙かに効率的なエネルギー源でもあるとわかっています。

ただし、血液中の赤血球のみがブドウ糖をエネルギー源としているため、赤血球が活動するために最低限必要なブドウ糖が新生児にもありました。

さらに、宗田先生は、臍帯血から母胎(母親)の血液よりもさらに高い値のケトン体が測定されたことも記されています。

これは、何を意味するのでしょうか?

胎児は、ほぼケトン体しか栄養源にしていないということを意味します。

妊娠中に太りやすくなる理由

妊娠中は、インスリンは十分に分泌されていても効き目が弱くなることがわかっています。

なぜ、妊娠中はインスリンの効き目が弱くなるのでしょうか?

理由は、赤ちゃん(胎児)のエネルギー源であるケトン体を送り届けるためです。

ケトン体は、脂質を分解して取り出される物質です。

もしも、インスリンが細胞に働きかけケトン体が吸収されてしまうと、胎児へ栄養が届けられなくなってしまいます。

これでは、成長に支障が出てしまうのです。

妊娠中は、赤ちゃんのエネルギー源であるケトン体をしっかりと送り届けるために、インスリンの効き目が抑えられ、赤ちゃんに優先的にエネルギーが届くようになっているのです。

妊娠すると血糖値が高くなり妊娠糖尿病と診断されることがありますが、元々血糖値が上がりやすくなる体質と言えます。

宗田先生も、「出産すれば、妊娠糖尿病はなくなる」と言っておられます。

ただし、血糖値が明らかに高い場合は、糖質を摂りすぎている可能性があります。この原因として、主食がご飯(白米)という考えの定着が関係しているのです。

ご飯(白米)が主食と言われるようになった理由

私たちの祖先は、二足歩行を初めてから500万年に渡り地上で生活をしてきたと言われています。

最近の研究では、長い歴史の中でヒトが穀物を食べ始めたのは、せいぜい1万2千年前程度ということがわかってきています。

500万年のうちの1万2千年。

これは、人間の歴史のうちたったの0.24%でしかりません。

つまり、ヒトは、穀物を食べるようになって、まだほんの少しの時間しか生きていないことを意味します。

定住化で穀物摂取が必要となった

では、なぜ穀物を食べるようになったのでしょうか?

私たちの祖先は、元々遊動生活を続けていました。移動しながら食料を探して生活してきたということです。

つまり、約1万2千年より以前までは、家に住んでいませんでした。定住するという考えが無かったのです。

しかし、地球環境が変化して、一カ所にまとまって住むようになりました。

定住化により、食料を同じエリアで確保しなくてはならなくなった時、初めて食料の確保の難しさに気づきます。そんな時、穀物が食べられることに気づき、次第に栽培できるようになっていったのです。

最初は、麦。続いて、稲なども栽培できるようになりました。

これで、食糧難の問題は解決されたものの、糖質を摂取する量が増えたことで病気になる人も増えていったと言われています。

「主食がご飯」が広まったのは昭和頃

麦や稲が食料になる前は、脂質(ケトン体)が主なエネルギー源だったのが、ブドウ糖に変わっていったのです。

そして、今の日本では、「主食がご飯」と言われるようになりました。

しかし、実は、一汁三菜という献立を世間に広めたのは、NHKの番組がきっかけと言われています。

それまでは、ご飯を主食として食べていた地域も多くなかっただけでなく、食べていても体内への吸収が緩やかな玄米も多くありました。

今のように高糖度の白米も少なかったので身体への悪影響も少なかったのですが、成人病として糖尿病が代表されるように糖質の慢性的な過剰摂取を引き起こすきっかけになっているのです。

インスリンの本当の役割

ケトン体の理解を深めるためには、インスリンの働きに対する間違いを正すところから行わなくてはなりません。

インスリンと言えば、食事で摂取した糖質(ブドウ糖)を細胞内に吸収させるホルモンと思われていますが、実際は違うことがわかっています。

インスリンの主な役割は、脂質を細胞内に吸収させることです。

血液中に沢山あると害となるブドウ糖を細胞内に吸収させる働きは、あくまでもサブ的なものです。

この意味を理解できれば、インスリンを毎日沢山分泌させることこそが異常だと気づけると思います。

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